先日、東京の会合である社長にお会いしました。
海外へも進出している企業の代表でしたのでご挨拶をさせていただきました。
ヨーロッパからアメリカ、アジアまで手広くされており、相当お忙しいだろうとお話をお聞きしておりました。アメリカなどではPR会社は日本よりも有効に使われておりますので「現地のコーディネーターをお使いなんですか?」とお聞きしました。
お忙しい中で大変だろうという観点からでした。
そうすると・・・・
「そんなものはいりません。全部自分でやりますから」と強い口調。
私は少し驚きましたが、話を合わせて聞き続けました。
「どこに、行っても世界中友人がいますから。みんな私を待ってるんですから。食事を一人ですることなどありませんよ。」と続きます。
「すばらしいですね。みなさんうらやましいでしょうね」と私。
途中からは実はあきれていました。
「今は、自社で全てしているんですよ。友人がいろんな国にありがたいことにおりますので助けてくれるんです。秘書も手配をしてくれますし助かっています。本当に感謝しているんですよ。
食事などもさみしい思いをせずにできているんですよ。嬉しいばかりです。」
と話せばどうでしょうか?
話し方というのはとかく難しいものです。
特に広報や中小企業の社長となれば、大切に話を進めていく必要があります。その時の印象で会社の印象が決まってしまうことがあるからです。
日本語は英語とちがって柔らかく話すことに意義や意味がある言葉のように思います。
私も英語の思考で話すと、結論からはっきりと話してしまいますので注意をしています。日本語では、結論をきっぱり話して理由を述べても冷たい感じがしてしまうようなのです。
美しい日本語は難しいものです。
話し方で、面白い例があります。
「彼女って綺麗だよね。でもきついよね」
「彼女ってきついよね。でも美人だよね。」
同じ事を話しているのに印象が異なります。
2番目の話だと、
「あの人があなたの事を、美人って言ってたよ」という話に。
後に話した方が、日本語では印象に残るんですね。
いろいろとPRのツールが発達してきて発信も簡単にできるようになりましたが、文章も話し方も心を尽くして行うことが大切です。
私は、冒頭の社長の印象は、数か月以上たっても良くなりませんでした。
自分が、どんなに立派でも立派だと言う必要はないのではと思います。
おのずと人に知れていくのではないでしょうか?
そしてあなたの目の前にいる人が、どんなにすばらしい人かもわからないのです。その道で優れていた方と知り、あとで恥ずかしい思いをするかもしれません。
以前に、世界的に有名なミュージシャン達のの通訳の仕事に携わったことがあります。
すばらしい演奏をする人や本当に世界的に認められている人は、とても
優しく気さくでいい人が多かったことを思い出しました。
そしてインタビューの後に聞くその音楽は更に魅力を増して素敵に聞こえたものです。
広報担当者や広報を担う代表ならば、心にとめておきたい、気をつけたておきたい事だと思います。
あなたの会社の商品やサービスは自分で話すことができません。
もっともっとすばらしいと感じてもらうのは、あなたの力が重要なのです。